海外のがん医療はどうなっているのか?④

MDアンダーソンがんセンター(後半)

前回はMDアンダーソンがんセンターの施設概要
実際に行われている医療サービスについてご紹介しました。

今回は実際に施設を訪問した時のレポートをご紹介します

2014年10月28日

今日はSIO(統合腫瘍協会国際会議)の
プログラムに組み込まれている
MDアンダーソンがんセンターの見学に来ました。

訪問時間は
17:45~19:00もしくは18:45~20:00の2パターン選べ
どちらも30名ずつの枠があったのですが
すぐに申込みでいっぱいになってしまいました。

がん治療の世界的な最先端施設ということもあり、
さすがに注目度の高さがうかがえます。

大きな病棟が立ち並ぶ
テキサス医療センターの中にあり
そのうちのいくつかが
MDアンダーソン がんセンターの建物のようです

(配布された資料によると
関連施設の建物は50以上あるそうです)

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メインビルディング

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ロゴにはCancer(がん)に横線が引いてあります

病院内に入り、まず案内されたのは
統合医療センターの外来クリニックです。

建物自体新しく、中も非常にきれいでした。
下の写真が待合室です。
ゆったりとして落ち着いたスペースになっています。

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受け付けの後ろには診察状況が掲載されています

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「On Time」は
予約時間どおりに診察されているといった意味です。

上のLee.RとWilliams,J.が
医師による統合医療コンサルティング
他はマッサージ、栄養指導、心理セラピー
鍼、運動療法となっています。

実際の診療室が下です
全部で7~8部屋に分かれていました。

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統合医療コンサルルーム このような部屋が2~3ありました

マッサージや、鍼、運動療法を行う診察室
同様の部屋が3~4ありました

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鍼やマッサージを行う診察室は
日本のマッサージ施設や鍼灸院とイメージが近かったです。

外に出るとちょっとしたスペースがあり
ここで瞑想などを行ったりするそうです。

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ちなみに真ん中の噴水のような設備は
統合医療センターの患者さんが寄付して作られたそうです。
(残念ながら患者さんは何か月か前に亡くなられたとのことです)

その後、病院内に入り渡り廊下を渡って病棟の方に移動しました。

渡り廊下はかなり長く
患者さんによっては移動が大変なので
下のようなカートが往復しました。

私が見たときには、ドクターや健康そうな人たちが乗っていました。

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病棟に移るといたるところに絵画や花が飾られていました。

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日本の病院とはイメージが全く異なり、
リゾート施設や、高級老人ホームに近いイメージです。
がんと闘う患者さんのために
居心地にもかなり配慮していることがよく解ります。

患者さんや家族向けに図書館や調べ物をする施設もあります。

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病院内の売店です。

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10月は乳がん撲滅を目標とした
ピンクリボンキャンペーン中でしたので
ピンクの洋服や帽子などが売られていました。

多目的ルームに来ました。

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ここで音楽療法や大人数で行うグループセラピーを行うそうです。

外はお花がたくさん植えられている
きれいなバルコニーになっており
そこで瞑想なども行うようです。

途中、音楽セラピーを指導している方たちに会いました。

1人はもともとこの施設のがん患者さんだったらしいですが
治療後にボランティアとして参加しているそうです。

他にも受付の方とかにもお会いしましたが
とにかくみなさん明るいです。

続いて栄養指導や料理の実演などを行う部屋です

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キッチンの上に鏡があり
車いすの人でも料理しているところが
よく見えるようになっています。

アメリカは日常的にファーストフードなどを利用する人が多く
食生活が乱れ、肥満がかなり多いです。

肥満は治療などにも悪影響を及ぼすので
栄養指導などはかなり力を入れているようでした。

病院内のキャッシュディスペンサーです

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英語、スペイン語、ポルトガル語から
日本語、中国語、タガログ語などを選べるなど
世界中から患者さんが来ているのが解ります。

この写真を撮っていたら
視察グループからはぐれてしまい
病院内で迷子になってしまいました。
施設の大きさを、身をもって実感しました。

統合医療センターの利用者はまだまだ少ないので
病院内でPRしていました

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写真は瞑想

この写真↓

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実は病院内にバーもありました。
入院患者さんもお酒飲んでいるのでしょうか?

もともとは1時間ちょっとの予定でしたが
2時間ほど見学させて頂き
出るころにはすっかり、暗くなっていました。

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MDアンダーソン病院訪問のまとめ

日本ではがん治療における選択権のほとんどが
医師に委ねられており
西洋医学(手術、放射線療法、抗がん剤)以外の
補完代替療法(サプリメントなど)に関しては
否定的なことが多いかと思います。

患者さんがサプリメントなどのことを相談しても
「よく解らないなら辞めた方がいい」
「勝手に余計なことをするな」
と言われるケースがよくあるかと思います。

今回、がん治療における世界最先端と言われている
MDアンダーソン病院を訪問し、
実際に気功、鍼、瞑想などを積極的に取り入れているのを見て

ここでは東洋でも、西洋でも
良いものは積極的に取り入れている点が大きく違うと感じました。

また、日本では医師が
がんの進行や腫瘍マーカーの数値など
病気そのものに注目して治療にあたるのに対して

こちらでは、医師とその他の医療従事者がチームとなって
病気の治療はもちろん
患者さんを身体的、精神的にもサポートしている点が
大きく違うなと実感しました。

2015年の第12回国際統合学会は
マサチューセッツ州ボストンで開催予定です(11月14日~16日)
ハーバード大学メディカルスクールを見学できるかもしれないので
ぜひ参加したいと考えています