ブラジル産露地栽培アガリクスは国産ハウス栽培よりも栄養成分が豊富【学術誌掲載】

キングアガリクスの安全性・有用性に関するデータが比較統合医療学会誌Vol.27, No.1に掲載されました。

比較統合医療学会誌

執筆者:田島克哉先生(東京薬科大学薬学部免疫学教室)

以下、学術誌に掲載された内容の一部に写真や補足を加えながらご紹介いたします。

(薬機法順守のため一部改変)

アガリクスについて

キングアガリクス

アガリクスとはブラジル原産のキノコであり、様々な有益なデータが報告されている。キングアガリクス(Agaricus brasiliensis KA21株)はヒトにおける安全性が確認されており、様々な有益なデータが報告されているため、現在、ヒト用にとどまらず愛玩用動物(ペット用)のサプリメントにも広く用いられている。

 

Agaricus brasiliensis:アガリクスの学名(他にAgaricus blazei、Agaricus subrufescensなどと呼ばれています。)

*KA21株(=King・Agaricus 21株):露地栽培が可能な生命力が強い特殊な菌株。東栄新薬株式会独自の菌株で特許寄託センターに登録しています。

 

当教室(東京薬科大学薬学部免疫学教室)は、アガリクスが注目を浴び始めた当時から研究を行っており、これまで20年以上にわたってアガリクスに関する研究を継続してきた。今回は、ブラジルで露地栽培されたキングアガリクス(A.brasiliensis KA21株)を用いて行ってきた研究結果を中心に解説する。

東京薬科大学

(東京薬科大学免疫学教室では、20年以上キングアガリクスの研究が行われています。)

露地栽培アガリクスの特長

アガリクスの栽培方法の違い

アガリクスは、生活環の中で、菌糸体、胞子、子実体などの様々な形態をとることが知られており、現在、広く市販されているアガリクスは生育条件がそれぞれ異なっている 。

アガリクスの子実体と菌糸体

(子実体:通常食べるキノコの部分、菌糸体:キノコの根っこの部分)

アガリクスの栽培方法には大きく露地栽培、ハウス栽培、タンク培養の3種類に大別される。

菌糸体を培養するタンク培養

タンク培養

タンク培養はアガリクスの菌糸体部分を培養する栽培方法であり、工業的に大量に生産できる特徴がある。

室内の暗所で行われるハウス栽培

ハウス栽培

ハウス栽培は室内の暗所でアガリクスを栽培する方法であり、天候などの影響を受けにくい特徴がある。

日光のもとで行われる露地栽培

キングアガリクス

露地栽培はアガリクスを屋外で日光のもと栽培する方法で、栽培が困難であり、収穫量が少ない反面、その子実体は大きく、栄養価などが高くなるなどの特徴がある。

サイズの比較

(サイズの違い 左:露地栽培アガリクス 右:ハウス栽培アガリクス)

栽培方法によるパワーの違い

アガリクスは菌株の違いのみならず、たい肥や栽培された土壌の栄養成分を吸収して育つため産地、栽培条件などによって生理活性作用や含有成分が変化する。

パワーの比較

(栽培方法によるパワーの違い 露地栽培はハウス栽培の5倍のパワー)

ブラジル産露地栽培アガリクスの特長

ブラジルで露地栽培したアガリクス (KA21株) の乾燥子実体の成分分析を行ったところ、タンパク質や食物繊維、ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンなどの栄養素や、その他、鉄やカリウム、リン、マグネシウム、亜鉛、銅などのミネラル類が含まれていた。

国産ハウス栽培よりも栄養成分が豊富

ブラジル産露地栽培アガリクスの栄養成分を、日本産ハウス栽培のものと比較すると、ビタミンB1、ビタミンD、カルシウム、鉄、セレン、銅、が多く含まれていた。

キングアガリクス

露地栽培アガリクスには重合ポリフェノールが多い

栽培条件は、アガリクスが作り出す酵素にも影響を与えている。橋本らはアガリクスの栽培条件がタンパク質含量に影響を与えることに着目し、アガリクスの栽培条件の違いによって、ポリフェノール関連酵素の性質が変化することを報告した。

 

特に露地栽培のアガリクスはペルオキシダーゼとラッカーゼの性質が高まることが明らかとなった。そのため、栽培条件がアガリクスのパワーに影響を与えることを示唆しており、ブラジルで露地栽培したアガリクス (KA21株) は栽培の過程で、酵素によってリグニンや重合ポリフェノールなどの物質を産生し子実体により多く蓄えていることが考えられる。

露地栽培アガリクスには主成分β-グルカンが豊富

大野らはアガリクスのβ-グルカンの主要な構造が高分岐β-(1、3)-D-グルカンを含むβ-(1、6)-D-グルカンであることを報告しており、露地栽培されたアガリクスはこのβ-グルカンの含有量がハウスで栽培されたものより多くなる。

ベータグルカン含有量

露地栽培アガリクスの方がハウス栽培よりも優れた結果を確認

マウス用いて露地栽培アガリクスとハウス栽培を比較した実験では、露地栽培のアガリクスがハウス栽培されたものよりも優れた結果であった。

 

今回のデータが掲載された比較統合医療学会誌について

比較統合医療学会誌

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引用文献

ヒトにおける安全性と有益なデータに関して

●Evid Based Complement Alternat Med, 5 (2008) 205-219.

● International journal of medicinal mushrooms, 17 (2015) 799-817.

 

露地栽培アガリクスとハウス栽培アガリクスとの比較

●BMC Complementary and Alternative Medicine, 14 (2014) 454.

●International journal of medicinal mushrooms, 22 (2020).

 

アガリクスに含まれる酵素に関して

●International journal of medicinal mushrooms, 8 (2006) 329-342.

 

β-グルカンの構造式に関して

●Biological and Pharmaceutical Bulletin, 24 (2001) 820-828.